FreeBSD 4.7Rアップグレード


FreeBSD 4.7Rについて

  • FreeBSD 4.7Rは、2002年10月10日にアナウンスされたFreeBSDの最新版です。
  • ここでは、FreeBSD 4.5Rから4.7Rにアップグレードする手順を紹介します。


事前準備と補足説明

  • 「/usr/src」が存在していると、ファイルシステムのチェックの段階で、「/usr/srcが既に存在している。/usr/srcには何も書きこみません。」とのメッセージが表示されます。事前に、「/usr/src」ディレクトリを削除するなり、リネームしてからインストールする事が望ましいです。今回は、リネームします。(後で使う必要性は無い様な気もしますが、念のため)
    # mv /usr/src /usr/src.old
    
  • 「/etc」の設定ファイルは基本的に古いファイルがそのままリストアされるので、基本的な設定等は変更する必要はありませんでした。また、手動で/etcファイルをアップグレードする際に参照するために、新しい/etcファイルが/etc/upgredeに入っています。
  • 古いカーネルが「/kernel.prev」に保存されるので、いざと言う場合はこれで起動できます。


FreeBSD 4.7Rのインストール(4.5Rからのアップグレード)

  • FreeBSD Expert 2003(2002年12月25日発行)の付録CD-ROMを使ってアップグレードインストールを行いました。CD-ROMブートが出来るので、非常に簡単に進められました。インストーラは英語版のみですが、以下の説明は日本語版ベースになっています。【無】の部分は4.5Rの場合にはあったが、4.7Rには無い部分を示しています。
  • インストーラを起動すると、「Kernel Configuration Menu」が表示されます。特に設定する必要は無いので、「Skip kernel configuration ...」を選択します。
  • 【無】「LocalizationMenu」が表示されるので、「Japanese」を選択します。
  • 「sysinstall メインメニュー」では、「Upgrade:既存のシステムをアップグレードする」を選択します。
  • 「アップグレード」に関する注意事項が表示されるので、「Yes」をクリックします。配布ファイルコンポーネントの指定メッセージが表示されるので、「OK」を選択します。
  • 配布ファイルの選択画面になります。ここでは、「X-Kern-Developer:全バイナリ、文書、カーネルのみのソース、X Window Systemを含む」を選択しました。
  • portsコレクションのインストールの選択 −>「Yes」を選択します。
  • 【無】XFree86 3.3.6配布ファイルの選択 −>「Exit」(デフォルトのまま)を選択します。
  • 再び配布ファイルの選択画面に戻るので、「X Exit」を選択します。
  • ディスクラベルエディタに移動しますのメッセージが表示されるので、「OK」をクリックします。ディスクラベルエディタが起動され、以下の様に表示されます。
      区画  マウント位置  容量 Newfs
     ados1    none         10087MB DOS
     ad1s1a   none          7010MB *
     ad1s1b   swap           128MB SWAP
    
  • 今回の対象のFreeBSD4.4がインストールされている「ad1s1a」を選択し、「M=マウント位置」を「/」(ルート)に設定します。「Q=終了」でディスクラベルエディタを終了します。
      区画  マウント位置  容量 Newfs
     ados1    none         10087MB DOS
     ad1s1a   /             7010MB UFS N
     ad1s1b   swap           128MB SWAP
    
  • ファイルシステムのチェックが開始されます。
  • 「/etcの内容をどこに保存するか?」とのメッセージが表示されるので、デフォルトの「/usr/tmp/etc」のまま「OK」をクリックします。保存が行われます。またカーネルの書き換えが行われ、古いカーネルが「/kernel.prev」に入っている旨表示されるので、「OK」を選択します。
  • インストールメディアの選択 −>「CD/DVD」を選択します。
  • この後、インストールが実行されます。portsのインストールに結構長い時間(15分程度)が掛かりました。「アップグレードは完了しました。全ての古い/etcファイルがリストアされました。手動で/etcファイルをアップグレードする際に参照するために、新しい/etcファイルは/etc/upgredeに入っています。」のメッセージが表示されます。「OK」を選択します。
  • 「sysinstall メインメニュー」で、「X導入終了」を選択します。「システムをリブートします。」の確認メッセージがでますので、「Yes」を選択します。
  • 再起動後に、システム情報を表示して「FreeBSD 4.7-RELEASE」となっている事を確認します。
    # uname -a
    FreeBSD taro.home 4.7-RELEASE FreeBSD 4.7-RELEASE #0: Wed Oct  9 15:08:34 GMT 2002
         root@builder.freebsdmall.com:/usr/obj/usr/src/sys/GENERIC  i386
    


XFree86(Version 4.2.1)の設定

  • XFree86は、以下の様にVersion 4.2.1がインストールされました。
    # X -version
    
    XFree86 Version 4.2.1 / X Window System
    (protocol Version 11, revision 0, vendor release 6600)
    Release Date: 3 September 2002
            If the server is older than 6-12 months, or if your card is
            newer than the above date, look for a newer version before
            reporting problems.  (See https://www.XFree86.Org/)
    Build Operating System: FreeBSD 5.0-CURRENT i386 [ELF] 
    Module Loader present
    

  • 今までのVersion 3.3.6とは設定ファイル「/etc/XF86Config」が異なり、そのままではXが起動できませんでした。そこで、以下のコマンドを実行する事により、雛型の「XF86Config.new」が作成されます。これを「/etc/XF86Config」にコピーします。しかし、Xは起動されましたが、画面の表示が正常に行われませんでした。
    # XFree86 -configure
    

  • そこで、RedHatLinuxの設定ファイル「/etc/X11/XF86Config-4」をベースにして、「/etc/XF86Config」を修正しました。完成版は、こちらです


GNOME関係でのトラブルについて

  • 「startx」コマンドでXは起動されるのですが、GNOMEが立ち上がらない現象が発生しました。原因について皆目見当がつかず、GNOMEの再インストールから始めました。FreeBSD-users-jpメーリングリスト皆様のご助言を頂き、約1ヵ月後にようやく解決できました。解決までの経緯は、以下のやりとりを参照して頂ければと思います。GNOMEの再インストールは本質的な部分では無いため、スレッドの途中からにしてあります。

    [FreeBSD-users-jp 73135] Re: 「 GNOME+Sawfish 」再インストー ルでエラー

  • 結果として、以下の設定ファイルを変更する事により、GNOMEが正常に起動できる様になりました。

    【~/.xinitrc】
    kinput2 -wnn -ccdef /usr/X11R6/lib/X11/ccdef/ccdef.kinput2.egg &
    kterm -km euc -sb &
    sleep 3      <--この行を追加
    exec gnome-session
    

    【~/.cshrc】
    ・・・
    setenv PERL_BADLANG 0            <--この行を追加(注)
    setenv LC_ALL "ja_JP.eucJP"      <--この行を追加
    ・・・
    

    (注)この部分は、GNOME再インストール時のPERL関連のエラーに対応したものです。
    FreeBSD QandA 144



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